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2014年7月27日 (日)

「そのプレゼンで未来が動く!」前編~プレゼン白熱教室~

 7月18日Eテレ放送「プレゼン白熱教室『前編 そのプレゼンで未来が動く!』」を観た。

1 はじめに

 英国人ニック・バーリー氏は、「プレゼン指南の達人」と呼ばれ、2012年ロンドン、2016年リオ、2020年東京と3大会連続でオリンピック招致を成功させた。
 この番組は、彼が慶応大学ビジネススクールで開催した特別ワークショップを二回に渡り、放送したものである。

 前編は、講義スタイルで
・「プレゼンの相手を見極める」
・「3つのポイントに絞る」
・「インパクトを演出する」

 など、プレゼン成功に導くいくつかの具体的なテクニックを紹介した。

2 番組要約
 プレゼンテーションとは、あなたのアイディアや提案を、説明すること。プレゼンに求められるのは結果、すなわち採択されることである。

(1)計算から始める
 ① 話す速さを知る
 「話す速さを知る」ことが大切である。一枚につき20秒は早すぎる。これでは聴衆は何も記憶に残らない。さらにプレゼンターの母国語以外で話す場合は、よりゆっくり話す必要がある。

 ② 話し手を選ぶ
 キャスティングを選び、東京オリンピックのプレゼンで一番長く時間をかけて検討したのが、順番選びであった。日本では文化的に年功序列で順番を決めるが、これは国際的には最悪の並びであり間違いである。発想として、若くてエネルギッシュな人を一番にし、真ん中あたりに落ち着いた人を配置する。
 プレゼンでは、全員が話す必要はない。最適な人物をメンバーから選ぶ。

 ③ 3という数字の力
 3という数字には力がある。日本では「見ざる、聞かざる、言わざる」、フランス革命では「自由、平等、友愛」など3つの言葉に集約されている。東京五輪誘致では「Deliverry(確実)、Celebration(情熱)、Innovation(革新)」に集約させた。3つに集約させることは、コミュニケーション理論の鉄則でもある。したがって、プレゼンで例を挙げるときは、3つに集約させ、何かグラフを使う時も同じある。勇気を持って論点を3つに絞り込むことが重要である。
 順番は、最も重要な点を冒頭に持ってくる。それを中盤、後半にも繰り返す。
 「過ぎたるは及ばざるがごとし」のことわざどおりに、3つならば覚えてもらえる可能性が高い。より少ない数まで論点を絞り込む必要がある。

(2)オバマ大統領、キング牧師から学ぶ
 オバマ大統領の演説は、プレゼンのテクニックを全て使っている。彼の声は、あるときは大きく、次は下げる。またペースも自在に操っている。重要な点はゆっくりと話し、そして強調する時には、間合いを取り、聴衆が耳をすますとそこで最も重要なことを話す。そこでも「3」の持つ力がある。
 キング牧師は、「私には夢がある」と演説することで、聴衆をイマジネーションの世界にいざなった。オバマ大統領にも、同じように未来の世界を語り、まるでその世界に行っているような気分にさせていた。そのためには「想像してみてください」と呼びかける、聴衆を別の世界にいざなうようにする。

(3)聴衆を知る
 聴衆が、どんな人たちなのか知ることが重要。誰がキーマンか、それも名前だけではなく、性別、出身、言語、何を求めているかなどについても知ることで、何を話すべきかがわかる。
 相手を知るために使う時間は以外に少なくて大丈夫である。しかし、「おそらく」などの憶測で推測してはならない。相手に聞き、調べることが必要。
 ネガティブ・キャンペーンがあるのは事実だが、できるだけ避けた方がよい。むしろ自分のポジティブな部分に注目すべきである。
 ジョークは、聴衆の壁を破る効力もあるが、国や文化によって異なるので注意が必要である。

(4)インパクトを作れ
 ① 10語以下で物語が書けるか
 シンプルな言葉が人を引き付ける。

 ② インパクトを持続させること
 見事なプレゼンは、正弦波長となる。徐々に盛り上がり、強く訴えかけ、徐々に下がったところで基本的な説明が行われる。そして再度徐々に盛り上がる。これは一人でも可能であるし、メンバーを変えても可能である。プレゼンの中で光と影、にぎやかさと静けさ、繰り返し作ることも重要である。

 ③ 視覚的に作れ!
 スティーブ・ジョブズは、スマート・フォンを発表する際、余計なスライド等を一切使わず、「今日わが社は、電話端末を再び発明した」とだけ言った。
 決して情報を詰め込み過ぎず、「視覚的に作れ!」である。
 リオデジャネイロのオリンピックのプレゼンに関しても、世界地図を用いて、視覚的に開催地の偏りを視覚的に説明した。

 ④ 明確なビジョンを持つ
 「こうしましょう」という明確なメッセージ、何をどう売り込むかを明確にする。
 スティーブ・ジョブズは、「そうだ、最後にもう一つ」といつも最高な製品を最後に持ってくる。そして「わが社が再度発明した」とスマートフォンを示した。
 ボルボ社は、「安全性」にメッセージを絞り込んだ。

(5) 練習しすぎることはない
 練習なしに、上達はない。東京誘致の45分のプレゼンには、45時間以上の練習を行った。少なくとも1回以上の本番に近い形でリハーサルをすることが必要。
 練習をやリハーサルをしすぎることはない。リハーサルは、脳を訓練し、自信がつく。

(6) 母国語以外で伝える限界
 母国語でない人が英語などを話す時は、細かなことにこだわる必要はない。話し手は、完璧な英語を求めるが、聴衆はそこまで求めていない。大切なのは気持ちである。

3 感想
 私は、Eテレで放送しているTEDを観ている。毎回その斬新なプレゼン手法には驚かされる。一方、いざ自分がプレゼンを行う際は、何かとP.P.のスライド制作に時間をかけてしまう傾向が強い。これでは、聴衆をひきつけることができないことが理解できた。

 この放送は、自分のプレゼンを改善させる良き分岐点となった。なかなか自分のスタイルを変えることには勇気が必要だが、今後はこの手法を基本に制作し、採択されるプレゼンを行いたい。
 

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