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2014年9月17日 (水)

「私は過去の因果で、ひとを疑(うたぐ)りつけている」~夏目漱石『こころ』~

私は過去の因果で、ひとを疑(うたぐ)りつけている。
実はあなたも疑っている。

あなたははらの底から真面目ですか

      ~夏目漱石『こころ』(上・三十一)~

 これは小説の中で、私が先生に「真面目に人生から教訓をうけたいのです」と迫った際、逆に先生が私に向って尋ねた言葉である。

 私はこの言葉を読み、妙に安心感を得たというのが正直な感想である。
 多くの人は、生まれた時から「人を疑うことは悪」として教わってきた。仮に人を疑ったとしても、それは一時的なもので、時間の経過とともに「本当はいい人なんだ」などと、かつて疑った事実を打ち消し、肯定的な考えを持とうとする。
 しかし人を疑う心を打ち消すことは、同時にそれを自分の「心の奥深くに隠す」ことに他ならない。

 自分に置き換えた場合、目の前の相手に対して、「私は人を疑りつづけている。実はあなたも疑っている」などと口にすることは絶対に考えられないことだ。だからこそ、この言葉の存在を知り、人間の悪徳の一つである「疑う心」から離れられない自分を、とても肯定的に考えさせてもらったのである。

 この読み方は、私が若かりし頃には考えられなかった読み方である。それだけ自分の心が汚れている証拠でもある。

 

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