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2014年12月18日 (木)

「弱い自分」乗り越えた~鈴木明子選手『日本経済新聞』より~

 12月17日付け日本経済新聞より引用・要約

1 鈴木明子選手について
 鈴木明子選手は6歳からスケートを始め、15歳で全日本選手権4位入賞、2009年中国杯GPシリーズ初優勝、12年世界選手権銅メダル、13年全日本では出場13回目にして初優勝、10年バンクーバー、14年ソチの2大会の五輪出場銅メダル、14年3月の世界選手権を最後に競技生活から引退、現在はプロスケーター、テレビ解説などをしながら振付師になる勉強を重ねている。

2 記事要約
 「損したこともあるかなと思うけど、遅いからこそ、新幹線なら通り過ぎていた景色もたくさん見えたし楽しかった」と実感をこめて鈴木選手は語る。電車なら各駅停車。銀盤での歩みは、ゆっくりしたものだった。何度も立ち止まりながら、コツコツと前へ進んで27歳にして世界選手権で初めてメダルを手にした。遅咲きという言葉がぴったりだった。
 6歳の頃からジャンプの習得に時間がかかり、現在の女子選手が当たり前のように跳ぶ3回転-3回転の連続ジャンプも、26歳になるまで試合で成功できなかった。大学生のときには摂食障害を患い競技から一時離れざるを得なくなった。
 壁にぶちあたり、どん底に落とされても、「人間誰しも失敗する。失敗したときに失敗のままで終わらせないことが大切」と自らに言い聞かせ、あきらめずに乗り越えてきた。
 10代の鈴木は、「できない自分はみせたくない、格好つけていたい」と完璧主義者だった。20代に入ると、「素直に自分自身をちゃんと見るようになったというか、繕わなくていいのかなと思って」と、不器用な自分、弱い自分を徐々に受け入れられるようになった。そのことによって定評があった表現力に幅がでて、深みが増した。たどり着いた境地は「フィギュアスケートは人生の経験や乗り越えてきたものが、氷の上に全てでる」と、見る者に訴えかけ、情感豊かな唯一無二の世界観を確立させた。
 24歳のときにGPシリーズで初優勝、バンクーバー五輪、ニースでの世界選手権では表彰台にあがった。競技人生のハイライトは28歳のときに出場13回目にしてつかんだ昨年の全日本選手権だった。「自分の中であれが最高の演技」と語る。圧巻のフリー演技で、小学生のころからしどうしてきた長久保裕コーチが「彼女は一生懸命精進してきた。夢みたいだ」と鈴木の演技で初めて涙を流した。
 2月のソチ五輪は8位、現役最後となった3月日本開催の世界選手権も6位とメダルに届かず、最高の演技では締めくくれなかったが、胸にこみ上げたのは「やり切った」という満足感であり、日本の1万8千人の大観衆に温かく見送られ、「おそらく世界で一番幸せな引退。引退を後悔したことは1ミリもない」と語る。
 フィギュアは10代や大学生までに結果を残せなければ、競技生活を断念するケースが多い。遅咲きだった自分の人生が銀盤の新たな道しるべとなることに期待をかけ「あきらめなければできる、と思ってもらえたら」と語る。
 将来の目標は振付師であり、「ただ振り付けるだけではなくて、生き方やスケートに対する思いも込めて、選手の魅力を引き立てたい」という。
 「無数の人生が氷上に刻まれていく」とこの記事は、まとめている。

3 感想
 私はフィギュアスケートについて詳しくない。鈴木選手についてはスポーツニュースで知る程度であった。しかしこの記事を読み、本人が銀盤の上で笑顔を見せながらも、苦しみと向き合い、血のにじむような努力、既成概念の打破、ストイックな競技人生、さらに引退時の「やり切った」という満足感等、記事を読みながら、素人の自分の胸にもこみ上げるものを感じた。
 新聞記事のタイトルは「『弱い自分』を乗り越えた」、「遅咲き情感の世界観確立」と書かれている。要約文を書くにあたっても、記事の文章の中で省略できる部分はほとんどなかった。それだけ壮絶で密度の濃い競技人生であったのだ。特に「フィギュアスケートは人生の経験や乗り越えてきたものが、氷の上に全て出る」という鈴木選手の言葉に、彼女が向き合った苦しみ、そして苦しみですら素直に受け入れるという、激しい生き様を読み取ることができる。もっと前から彼女のことを知っていれば、私もファンの一人となって応援しただろう。
 遅ばせながら、今後の彼女はもちろん、これから彼女が育成する選手を応援したい。
 
  

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コメント

こんばんは。
私は鈴木選手が好きでした。
彼女の笑顔が、演技が、好きでした。
何かを乗り越えられる力のある人、ものすごく、惹きつけられます

グッピーちゃん、コメントありがとうございます。
あの笑顔の下には、血のにじむような
苦しみと努力があったのですね。
もっと前から知っていれば、きっと応援していたと思います。

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