「ありがたい」、「おかげさま」を大切にしたい。
日の出を見ながらの出勤であった。思えば、今は亡き明治生まれの祖母は、昇る太陽や沈む太陽に向かって、よく手を合わせ、何かあれば「ありがたい」、「おかげさま」という言葉を口にしていた。また善いことがあっても、悲しいことがあっても「お天道さまが見ているよ」と声をかけてくれた。「明治生まれ」というと、つい無骨さや一本気の男性像ばかりが強調されるがれがちであるが、「ありがたい」、「おかげさま」という言葉には、人間としての繊細さがある。
以前、ブロ友さんの「『おかげさま』という言葉が使えない人、精神を病んでいる」という記事を読んだことがある。医学的な根拠はわからないが、おそらく自分中心でしか物事を考えることが出来ない人は、結果として自分を客観視できずに精神を病んでしまっているということだろう。
私を含めて戦後教育を受けてきた人間は、「個人の確立」を最優先した。それは何かと「自分中心」、「自分さえ良ければよい」と考えることにつながる。例えば、お金を払ってさえいれば権利者となり、あらゆるサービスを「当たり前」として求め、受け取る。そこには「ありがたい」、「おかげさま」という概念はない。確かに戦前のような全体主義は困るが、そろそろ自分中心から、「社会の中の自分」、「他者から見た自分」ということに気づく必要がありそうだ。
今年も残すところ約半月近くなった。今年も多くの方々にお世話になった。今年の御礼は今年のうちに済ませよう。皆様からのおかげさまがあって、今日まで無事にこられたのだ。本当にありがたいことである。
美しい日の出を見ながら、そう考えた。
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とんぼさん、お早うございます。
>皆様からのおかげさまがあって、今日まで無事にこられたのだ。本当にありがたいことである。
全くその通りだと感じます。ありがとうございます。
投稿: グッピーちゃん | 2014年12月10日 (水) 07時37分
我が家の常の言葉・・・「お蔭様で」です。

夫も今では私の実家の合言葉・・・お蔭様で、が
すぐ 口に出るようになりました。
明治生まれではありませんが、母から子へと
受け継がれています。
私の娘達にも受け継がれたようです。
物に感謝の気持ちと、おごらず控えめに・・・ですね。
こんな事を書くと聖人みたいですが、
時に自分勝手になったりしていますから、
なんとも言えませんね。
投稿: マーチャン | 2014年12月10日 (水) 10時46分
「おかげさま」
とは、噛み締めれば噛み締めるほど素敵な奥深い言葉ですね。
これからは、「おかげさま」、「おかげさまで」を意識して使っていこうと思いました。
投稿: とんぼ | 2014年12月10日 (水) 22時45分
「お蔭様」が常套句になっているなんて、
なんと素敵なご家庭なのでしょうか。
素晴らしすぎます!!
「ありがとう」とか「感謝します」という言葉は使っても、「おかげさま」とは言っていなかった自分に気づきました。
「おかげさま」という言葉には、確かに謙虚さがありますね。
投稿: とんぼ | 2014年12月10日 (水) 22時47分