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2018年1月14日 (日)

独りで、旅に出なさい。~伊集院静~

  独りで、旅に出なさい。

二十歳、成人おめでとう。
今日から大人と呼ばれても、ピンとは来ないだろう。私もそうだった。
今、君は自分がどんな大人になるのか想像もつかないだろう。
どうしたら君の、自分なりの大人の姿がみえるだろうか?
そのためには、いろんなものを自分の目で見て、さまざまな人と出遭うことだ。
私の提案は、旅だ。それも若い時に、独りで旅に出ることだ。
日本でも、海外でもかまわない。一番安いチケットを買いなさい。金がなければ、
君の足で歩き出せ。自分の足で見知らぬ土地を歩き、自分の目で、手で、肌で世界にふれることだ。
どんな人がどんなふうに生きているかを見ることだ。
インターネット、テレビ、新聞、書物で知る世界とはまったく違う世界だ。
世界は君が考えているより広く、大きく、豊かで、また切なく、貧しくもある。
独り旅はまず、自分がまだ何者でもないことを教えてくれる。
自分の力で歩くことが、人生の、生きる基本ということを学ぶだろう。
若い時になぜ旅が必要か?それは若い新鮮な目にしか見えないものが、今の純粋なこころでしか獲得できないものが、間違いなくあるからだ。
旅に疲れたら、夕空を、星を仰いで一杯やればいい。
苦くて、美味しい、旅の酒の味は、生涯の宝になるはずだ。
二十歳の旅人に、乾杯。

  ~2018年(平成30年)1月8日 読売新聞 「サントリースピリッツ株式会社」広告~

・・・・・・・・・・

 新年の楽しみ。それは元日朝刊一面のすっぱ抜き記事、そして成人の日の伊集院静氏からのメッセージだ。

 いつまでも若いと思っていても、気がつくと新しい新成人達に話をしなければならない年齢に私もなってしまった。

 思えば自分が二十歳の頃、その瞬間瞬間では楽しんでいたものの、将来に対する漠然とした不安にもがいていた。彼が言うように、「今日から大人と呼ばれても、ピンとは来ない」状態だったのだ。 その時の楽しみと将来への不安、そのジレンマにもがいていたのだ。

 それは、歳を重ねても変わらず、生きている限り逃れられない苦しみかもしれない。

 「旅に疲れたら、夕空を、星を仰いで一杯やればいい。」

 人生、そんな余裕も必要だ。

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コメント

しげまるさん、こんばんは。
20歳のころは、背伸びして、大人の女性にあこがれていました。
でも今は、子供の方が良かったなぁと感じます・・・。

かわいい子には旅をさせよ、と申しますが、そうですね、その通りかもしれません。

旅に疲れたら、夕空を、星を仰いで一杯やればいい
なかなか含蓄のある言葉ですね。
俺などは疲れなくても毎日やっていますが
やはり仕事をしないでは一杯も旨くないです。
生きているのに疲れたら…いろいろ考えてみました。

グッピーちゃん、コメントありがとうございます。
確かに、年上にあこがれる時期ってありますね。
グッピーちゃんの目標はどなただったのでしょうか。
私は、柴田恭平さんでしたね。

でんでん大将様、コメントありがとうございます。
大将の世代は、モーレツ社員の時代ですよね。
今の若い人たちも、いろいろな情報に埋もれながら、
毎日もがいていると思います。
そんなとき、若者たちにそのような言葉をかけられる大人になりたいと思います。

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