剱岳チャレンジ~第3日目 剣沢小屋から剱岳山頂へ~
急な夕立に戸惑い、劔御前小屋に避難する。そこにはすでに10人ほどの先達さんが控えていた。夕立が止んだのを確認し、劔沢小屋に向かう。ここを選んだ理由は、完全予約制だからである。この年齢になると、睡眠の失敗は翌日の行動に影響する。1枚の布団に3人などとなると、やはり不安である。
御前小屋からの下りをしばらく歩くと、剣沢キャンプ場が見えてくる。大学の山岳部だろうか、楽しそうな時間を過ごしていた。理想ならばここにテントを張りたかったのだが、ここまで持ち上げる体力が私にはなかった。
ほどなくして、本日の宿である剣沢小屋に到着した。本日の剱岳は、恥ずかしがり屋さんのようだ。
受付を終え、部屋に案内してもらう。とてもきれいな内装の小屋だ。乾燥室にはジェットヒータがあり、濡れた雨具とシャツを乾かした。
従業員の方々の対応も丁寧で、「山小屋のむずかしい人」というのは、過去の話なのだろう。夕食をいただき、荷物を整理した後、すぐに布団にもぐりこんで明日に備えた。
8月21日、午前3時起床。4時30分に出発する。ハーネス、ヘルメット、ヘッドランプを装着し、まずは剣山小屋を目指す。玄関を出ると剱岳が堂々たる姿を見せてくれた。
雪渓の踏み後を丁寧に渡り、剣山荘で休憩する。目標である剱岳までは一服劔、前剣と3つのピークがある。気合を入れるとともに、とても緊張する。
登りで注意をしなければならないのは、2番のトラバースルートであろう。
噂の「カニのたてばい」。ここは単に登るだけなので上だけ見ていれば特に問題はない。
9時50分、剱岳山頂到着。
ここが夢の劔岳山頂だ。我ながら今までの努力と、ここに広がる絶景に一人酔いしれる。ここで長く過ごしてしまったことが、テント場への到着時間の遅れにつながってしまったことに、後になって気づくこととなる。
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