2022年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ

« 思い出登山【大門沢下降点】~令和元年8月~ | トップページ | アフターコロナの登山活動【山岳医療救助機構】(その2/全2回) »

2020年5月27日 (水)

アフターコロナの登山活動【山岳医療救助機構】(その1/全2回)

緊急事態宣言が解除され、各種競技団体から今後の活動に対する指針が発表されている。

登山活動においても、山岳医療救助機構から、「登山再開に向けた知識」が発表された。

詳細は、下記URLにて確認してもらいたい。

https://sangakui.jp/medical-info/medical-info-1414/

この発表を読み、自分なりにアフターコロナの登山活動として気づいたこと、変えねばならぬことについて2回に分けてまとめてみることとした。

なお、この記事の留意点としては、あくまでの私個人の分析であるため、実際に登山活動を実施する際は、日本山岳救助機構のHPから直接確認・判断をしていただき、この記事からの2次利用はお遠慮くだいますようお願いします。

P8200426

〇 全体的構成

新型コロナを「うつさない」、「うつらない」という点で計画・移動・登山中・宿泊・予防・発生時・体調不良者発見・対応・グループ登山・救助要請時の9項目にまとめられている。今までの「登山の常識と」呼ばれているものから、全体的に変化している。

1 登山を計画する

(1)行先の決定

 ・難しい山やルートは選ばず、より安全に行ける山やルートに留めます。

 ハイキングと登山の違いを述べた場合、登山の場合はアルピニズムの考え方から、より高く、より難しいルートを目指すことが目標となる。しかし、今回の発表では、そのような未知への探求心や、チャレンジ精神は勧められないということであろう。ハイキング、レジャーとしての登山に留めねばならないというのは、「アルピニズムによる憧れをあきらめよ」とも読み取ることもできる。

(2)自分の体調確認

 登山前の体温測定、新型コロナウィルス感染者と接触した場合の登山の延期勧告であり、当然のことといえよう。しかし、特に初心者のケースに多いのだが、登山前日に緊張感と不安から体調を崩してしまう人もいる。そのような方と行く場合には、新型コロナウィルスの問題と分けて注意が必要となる。

(3)誰と行くか

 感染リスクを抑える目的から、家族など同一世帯、共同生活をしている人同士、どうしても難しいければ、少人数グループ、かつ同じメンバーといくことを勧めている。最近では、ネットで知り合った相手と待ち合わせをし、お互いをハンドルネームで呼び合い、本名もしらない即席のパーティーで登山をするということもある。そのような方は十分に注意をしてもらいたい。

(4)登山形態

近郊の登山からはじめて段階的に宿泊登山に移行することを勧めている。すなわち段階的に感染防止策を図ることを目的としている。これについては、自粛生活からの体力的な負担を減らす目的と考えるならば、当然といえよう。

2 家から登山口まで

(1)マイカーの利用

 同居している家族の同乗ならば感染リスクを減少させるが、日ごろ共同生活をしていいない人同士の場合は、感染リスクが考えられるので公共交通機関の利用と同様に対応する。しかし、同居していないからとして友人・知人と同じ車に乗る際に、このような対応は難しいのが現実であろう。

(2)公共交通機関の利用

 3蜜回避のため、車両の窓の開放、マスクの着用、アルコールジェルの携行(60%以上)、フェイスシールドの有効性を勧めている。この点は、想定の範囲内といえるが、なかなか難しい。丹沢などに登る際は、ヤマビル対策にアルコールを持参するが、登山の場合は日常生活と比較して、多少不衛生なことを自覚して行うが、ここまでしなければならないのは残念である。

3 登山中

(1)携行すべき装備

 マスク(バンダナ、バフ等)・アルコールジェルジップロック(ゴミ袋用)・ティッシュまたはトイレットペーパー

 これらは、アフターコロナの追加装備として日常生活においても加わるものであり、当然のことだが登山中もとなるとこれも難しい。

(2)マスクとソーシャルディスタンス

 ・ソーシャルディスタンス
 登山中のソーシャルディスタンスとして2m以上離れることを勧めている。しかし、登山活動に求める場合、これではパーティ全体の列がかなり長くなってしまう。
 リーダーは、登山活動中に各メンバーの顔色や体調を気遣いながら登ることが求められる。この方法を実践するとなるとメンバーの体調や技量の把握は困難となる。さらに、列が離れると行動時間も長くなりがちであるため、実際に登山活動を想定した場合は、メンバーは2~3人程度少人数に限定されしまうのではないだろうか。私の場合は、通常5~6人であるため、検討の余地があるように思われる。

 ・マスクの着用
 マスクの着用については、常時着用する必要はなく、混雑時と人とのすれちがい時の着用を勧めている。また中国でのマスク着用時による酸欠死亡事故の報告から、マスクを着用したままの登山には危険がある。そのことから、ゆっくりしたペースで負荷を抑え、すれ違い時の待機時間を考慮に入れた余裕のある計画を求めている。また今までは、待機時やすれ違い時には他の登山者への声掛けを行っていたが、今回の発表では、「声かけを控え、笑顔や会釈、手をあげるなど」で表現することを求めている。登山中の他の登山者への挨拶というのは、先行者からのアドバイスを受けたり、遭難者発見のためにも必要かつ大切な文化であったが、今後はこのような変化を求められる。体力的にもハードな中、登山中の声掛けは一つの励みでもあり、すがすがしさでもあったが、この点の移行には従来から登山をおこなっていた者としてさみしさを感じる。

 ・手指消毒
 60%以上のアルコールでの手指消毒だが、山は水が限られている。そこでアルコールのみの手指消毒となる。また消毒すべき時は、鼻をかむ、咳やくしゃみの後、トイレ使用後、水道使用後、食べる前、ゴミに触れた後、鎖場や梯子を通過した後、ロープやカラビナなどの共有装備を使用した後と示されている。
 水道といっても、山小屋の中には天水(雨水)や沢の水を使用している場所も多い。そのような水道の使用後というのは、考え方としては当然なのかもしれないが、これも大きな変化といえよう。またロープやカラビナなどを使用した後も消毒を求めているが、これまで山の常識として多少不衛生なことを受容して扱ってきた。しかし、そのたびに消毒となるとなかなか難しい。おそらく湧き水から直接手を洗った場合は、その消毒は不要なのではないだろうか。

 ・登山装備やギアの消毒

 登山装備には洗濯が可能なものと、難しいものとに分けられる。そこで今回の発表では、消毒できる資機材・消毒が難しい資機材・洗えない資機材とに分類しそれぞれの対応策を具体的に示している。基本的には洗濯を基本とするのだが、難しいものについては0.1%の次亜塩素酸ナトリウム液で1分以上の浸した後の水拭きをおこない、洗濯や消毒の難しい羽毛や革製品については「7日間経過してから、再使用」することを示している。留意点としては、プラスチック製品へのアルコール使用や、損傷や変色、接着剤の劣化を招く可能性があるため、素材を傷めないために塩素ベースの消毒剤を勧めている。

 ・クライミングについて

 前述のとおり、ロープやカラビナなどの共有機材については、感染リスクが高い(一方、岩やホールドからの感染リスクは不明)と示している。さらにロープを結んだり、狭いテラスや終了点などでは、ソーシャルディスタンスの確保が難しい。特に、実際のクライミングではしばしば使われるロープやギアを口にくわえる行為やはリスクが高めるとして注意を要すると示している。そのため、マルチピッチクライミングからボルダリングやトップロープでの意向を勧めている。岩やホールドからの感染リスクは、具体的データが少ないため不明としているのだろうが、今後さらに規制されることが予想される。現在の状況では、なかなかクライミングを実施することは難しいといえよう。

(その2に続く/全2回)

« 思い出登山【大門沢下降点】~令和元年8月~ | トップページ | アフターコロナの登山活動【山岳医療救助機構】(その2/全2回) »

登山」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 思い出登山【大門沢下降点】~令和元年8月~ | トップページ | アフターコロナの登山活動【山岳医療救助機構】(その2/全2回) »