植村直己『青春を山に賭けて』(1977)のセリフが、かっこよすぎです。
コロナ禍の中、4月を迎え、我が山岳会でも新しい会員が入ってきた。なかなか思うように山に入れないのだが、会員を前に講義をすることとなった。
何を話そうかといろいろ考えているが、あまり細かなことを説明すると、それでけで山嫌いになってしまうので、簡単に概論のみを説明しようと思ってている。
とはいえ、自分には「登山のルールは、他の競技と異なり『無事に帰る』ことだけだ。とにかく安全・安心を最優先とし、決して事故だけは起こさないでもらいたい。」程度しか話すことがない。
さらに、自分には会員を笑わせるだけの話術もなく、いろいろ悩んでいる。
しかし、講義の締めくくりには、この言葉だけは使いたいと思っている。
われわれは、君の経験の有無は問わない。ここに入ってきている部員は、みんな君同様に山の素人ばかりだ。想像したまえ、冷たい雪の中、吹雪、嵐と闘って目的をひとつにして、みんなが力を合わせて登ることを・・・。(中略)われわれ部員は、兄弟のような愛で結ばれている。この山岳部に入ってきた新人はだれでも、経験によって差別されることなく、山の基本の歩き方から教わっていく。かえって君のような初心者の方が上達がずっと早い
~植村直己 『青春を山に賭けて』(1977)~
これは、植村が明治大学山岳部に入部した時に先輩からかけられた言葉である。
なんと美しく、かっこいいい言葉なのでしょう。言葉に魂が込められている。
でも、自分には不釣り合いでしょうか(笑)。
« “夜に駆ける"(2019)~YOASOBI~ わっ、怖っ!! | トップページ | ”アメリカン・フィーリング2020”~サーカス~ »
「登山」カテゴリの記事
- 涸沢のモルゲンロートと、憧れの奥穂高岳へ(2023.08.30)
- 大霧山(奥武蔵)登山(2023.11.19)
- 冬山訓練(2023.02.06)
- 雪上ではコールマンのガソリンコンロが最強!!(2023.01.08)
- キャンプの聖地~ふもとっぱらキャンプ場~(2022.03.20)
コメント
« “夜に駆ける"(2019)~YOASOBI~ わっ、怖っ!! | トップページ | ”アメリカン・フィーリング2020”~サーカス~ »
新会員に対する講義とは、大変な任務を引き受けられましたね・・・
これまでの経験を下にして語れば良いように思うのですが・・・ご苦労様です。
確かに山登りは家に帰り着くまでが山登り、それも無事に帰ることが肝心だと。俺もそうだと思いますね・・・
植村直己のこの1冊、俺も読んだ記憶があります。
投稿: でんでん大将 | 2021年4月11日 (日) 20時29分
でんでん大将様、コメントありがとうございます。
やはりそうですよね。新入会員には、無事に帰ることを起点に物事を考えことを伝えたいと思います。
ありがとうございます。
投稿: しげまる | 2021年4月11日 (日) 20時43分