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登山

2022年3月20日 (日)

キャンプの聖地~ふもとっぱらキャンプ場~

3月某日、平日に休みが取れたので、キャンプの聖地「ふもとっぱらキャンプ場」にでかける。

今は圏央道ができたので、中央高速へのアクセスが良くなり、あっという間に到着した。

装備は、登山用テントとコンロを2台、そして寝袋だけだ。

現地で食材を購入し、さっさとテントを立ち上げ、富士山を前にビールで乾杯する。

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周りは豪華な装備一式をそろえたキャンパーばかりだ。初心者ならば気にするのだろうが、キャンプと登山は全くの別物であるから、全く気にしない。

20時にはテントで寝てしまった。

「良く寝た。」と思って目を覚ますと、まだ23時30分だ。登山だとこの時期やこの時間にトイレに行くのにも、気合を入れる必要があるが、さすがキャンプ場だ。テントから這い出し、遠慮なく外に出ることができた。

また、ここのキャンプ場は水場もいたるところに設置され、トイレもとてもきれいだ。女性や子どもたちに人気がある理由もわかる。

ふたたび寝袋にもぐり込むと、そのまま朝まで寝てしまった。

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目を覚まし、テントから出ると、ちょうど富士山から太陽が出てくるところだった。元日ではないがおもわず手を合わせてしまった。こういうところが日本人なのだと実感する。

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コーヒーを沸かし、テントを軽く乾かしてから荷物を積み込み、自宅に帰る。今回の目的は特に観光をするわけでもなく、ただ自然の中で寝たかっただけなので、十分満足できたキャンプであった。

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ここのキャンプ場は整備が十分に整えられている。仮に忘れ物をしても、必要なものは売店にすべて揃っている。

しかし、十分すぎて逆に不満足感がのこってしまった。次回はキャンプ未経験の友人たちを誘って来るのも良いかもしれない。

 

 

2021年4月11日 (日)

植村直己『青春を山に賭けて』(1977)のセリフが、かっこよすぎです。

コロナ禍の中、4月を迎え、我が山岳会でも新しい会員が入ってきた。なかなか思うように山に入れないのだが、会員を前に講義をすることとなった。

何を話そうかといろいろ考えているが、あまり細かなことを説明すると、それでけで山嫌いになってしまうので、簡単に概論のみを説明しようと思ってている。

とはいえ、自分には「登山のルールは、他の競技と異なり『無事に帰る』ことだけだ。とにかく安全・安心を最優先とし、決して事故だけは起こさないでもらいたい。」程度しか話すことがない。

さらに、自分には会員を笑わせるだけの話術もなく、いろいろ悩んでいる。

しかし、講義の締めくくりには、この言葉だけは使いたいと思っている。

われわれは、君の経験の有無は問わない。ここに入ってきている部員は、みんな君同様に山の素人ばかりだ。想像したまえ、冷たい雪の中、吹雪、嵐と闘って目的をひとつにして、みんなが力を合わせて登ることを・・・。(中略)われわれ部員は、兄弟のような愛で結ばれている。この山岳部に入ってきた新人はだれでも、経験によって差別されることなく、山の基本の歩き方から教わっていく。かえって君のような初心者の方が上達がずっと早い

 ~植村直己 『青春を山に賭けて』(1977)~

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これは、植村が明治大学山岳部に入部した時に先輩からかけられた言葉である。

なんと美しく、かっこいいい言葉なのでしょう。言葉に魂が込められている。

でも、自分には不釣り合いでしょうか(笑)。

2021年2月23日 (火)

赤城山系「黒檜(くろび)山」雪中ハイク

2月某日、赤城山系の黒檜山に登る。

平地では晴天であったが、山に近づくにつれて風が強く、氷雪が横から叩きつける天候であった。

赤城大沼では恒例のワカサギ釣り客もいたが、例年になく少ない。

駐車場からアイゼンを装着し、山頂に向かう。ここは、雪山登山の練習として有名なコースだ。

途中、吐いた息がサングラスにあたり、たちまち氷結する。

これでは全く見えない。メガネをはずし、裸眼で登る。

最初からゴーグルにすべきだったかとも考えたが、ここしばらくコンタクトレンズを使っていない。

平地とは異なり、不衛生となりがちな山中でコンタクトレンズを装着するのは、個人的に不安があるからだ。

登りながら、氷雪が容赦なく顔を叩きつける。雪ならばともかく、氷となると痛い。

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こんなつらい思いをしても、下山後にまた登りたくなるのが登山なんだよな。

2021年1月11日 (月)

明けましておめでとうございます~美ヶ原高原~

遅ばせながら、明けましておめでとうございます。

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久しぶりの雪山登山。

恥ずかしながら筋力不足で太ももがあがらず前に進みませんでした。

想像以上の筋力低下に自己嫌悪である。これでは他の山の会のメンバーから笑われてしまう。

今までの筋トレ方法が間違っていたようですね。

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これから自粛生活が始まる。コタツの番人にならず、精進しなければ。

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2020年11月23日 (月)

これで山を好きになってくれればいいけれど…~鬼滅の刃~

ヒットをつつける映画「鬼滅の刃」。

恥ずかしながらアニメにあまり興味のない私は、まだ見ていない。

アニメやドラマでヒットるすると、そこを聖地として巡礼するファンが多いと聞く。

そのキャラクターの出身地とされる山がここである。

【引用: https://icotto.jp/presses/18411

〇竈門炭治郎と禰豆子…雲取山

嘴平伊之助(はしびらいのすけ)…大岳山

〇悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)…日の出山

〇時透無一郎(ときとうむいちろう)…景信山

私たち関東に住んでいる人にとっては、身近な山であるが、登る方はくれぐれも「完全な装備」で登ってください。

特に雲取山は、初心者には少し厳しい山で、山頂直下の雲取山荘で宿泊する必要があります。また、これから寒くなると「冬山の完全装備」でないと大変危険です。

安易な気持ちでは、決して登らないでください。

お願いします。

2020年6月 4日 (木)

思い出登山【山小屋の食事(その3/全3回)】

私の所属する山岳会を統括する親団体からメールが届き、今後の登山活動について紙面会議が行われた。
いずれにしろ現在の状況では登山を勧めていない。
個人、団体を含めてどんなに活動を再開したくても、その指示に従わざるを得ず、やりきれない思いである。
今は我慢、我慢。思い出に浸っています。

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【土合山の家/上越・谷川岳(平成26年10月)】

谷川岳の西黒尾根を登ってみたいという方を案内しての登山。
初日は雨のため湯檜曽川沿いを歩き、2日目にアタック。
まさか山でカニが食べることができるとは思いませんでした。
布団もフカフカ、お風呂もゆったり入ることができました。
あの頃は、寝袋で泊ることが多かったので、感謝感激。

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 【燕山荘/北アルプス・燕岳(平成29年8月)】

北アルプスの女王と呼ばれる燕岳(つばくろだけ)の麓にある人気の山小屋。
夕食時には、オーナーのスイスホルンの生演奏がある。
人気の山小屋だけあって、多くの登山者が泊まっていました。

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【大天井ヒュッテ/北アルプス・大天井岳(平成29年8月)】

槍ヶ岳山荘グループの山小屋のひとつ。とんかつが定番メニュー。
表銀座から槍ヶ岳方面に歩いてく途中にある。
マスターは深夜食堂マスターの小林薫さんに似ている。
翌朝は、牛首展望台までご案内いただき、出発前には鐘を鳴らしてくださった。
ありがたいことです。
前日の燕山荘と違って、到着後のんびり過ごさせていただきました。
宿では北鎌尾根で登る方と出会い、いろいろなことを教えていただきました。
いつかは登ってみたい北鎌尾根です。

・・・・・・・・・・

今、改めて写真を見直すと、それぞれの宿にそれぞれの個性がある。

まだ探せば他の山小屋の食事の写真が見つかると思うが、今回はこれにて。

何かのご参考になれば幸いです。

2020年6月 2日 (火)

思い出登山【山小屋の食事(その2/全3回)】

山小屋の食事には個性がある。その時は夢中で食べるが、後になって振り返ると、なかなかおもしろい。
食材をヘリで荷揚げできる小屋もあれば、歩荷で丁寧に持ち上げる小屋もある。
それぞれに個性があり、小屋の食事を豪勢か否かでは、絶対に判断してはならない。
どの小屋でも、残さず有難くいただいた。

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【大黒屋/那須岳(平成29年11月)】

 戊辰戦争後に建てられた会津の「旅館」である。山小屋ではない。
 温泉が魅力的。かなり熱かった。
 現在の建物も150年以上の歴史もあり、趣がある。

 さすが11月、部屋の中は寒く、ふるえながら仲間とお湯割りを飲み続けました。

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【苗場山頂ヒュッテ/上越・苗場山(平成30年7月)】

 山頂ヒュッテには水がない。
 途中の水場で4ℓをタンクに詰め、持ち上げる。
   下山まで水がもちました。
 カレーも、もちろんお代わりしました。

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【北横岳ヒュッテ/北八ヶ岳(平成31年1月】

 ゴンドラで一気に登ったためか、軽い高山病に罹る。
 前日までの残業続きで、体力的にも弱っていたのだろう。
 北横岳は初心者向きのコースだが、決してなめてはならない。
 館内でガスバーナーは使用可ですが、当日持参したのはアルコールバーナー。
 寒い中、外でお湯を沸かしました。

2020年5月31日 (日)

思い出登山【山小屋の食事】(その1/全3回)

山登りの楽しみと言えば、絶景、人との出会い、そして山小屋での食事であろう。

そこで、過去の写真ファイルから、その小屋での食事を紹介します。

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【金峰山荘/奥秩父(平成27年8月)】
 ワインがでることで有名な山小屋。しっかりとした夕食でした。この日は、信濃川上駅からバスやタクシーを使わず、ひたすら歩いて登ったのでヘトヘトでした。

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【薬師岳小屋/鳳凰三山(平成27年10月)】
 その日、北岳では初冠雪。鳳凰三山でも寒く、汗が冷えてガタガタ震えていたのが忘れられません。
 まあ、到着後すぐに着替えれば良かっただけですけどね。

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夕食、お正月サービスでおいしいお酒をいただきました。

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【介山荘/大菩薩(平成28年1月)】
 この宿は、使い捨てのお皿を使用する。
 アイゼントレーニングで入ったのですが、それを使うことなく下山となりました。

 つづく

2020年5月29日 (金)

アフターコロナへの対応~【山岳四団体からの声明】を受けて~

 令和2年5月25日、日本山岳・スポーツクライミング協会、日本勤労者山岳連盟、日本山岳会、日本山岳ガイド協会の山岳四団体から「政府の緊急事態宣言全面解除を受けて山岳スポーツ愛好者の皆様へ」と題する声明が発表された。そこで前回の日本山岳医療救助機構からの発表と比較し、検討を加えることとする。

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 尾瀬(記事とは関係ありません)

 具体的に、「『自粛』要請解除後の登山・スポーツクライミング活動ガイドライン」として以下の8点を挙げている。

1.近距離(100km圏内程度)でできるだけ都道府県を跨がない日帰り登山から始めましょう。
2.体調不良(平熱を超える発熱、悪寒、倦怠感、息苦しさ、咳等)での登山は止めましょう。入山後にコロナ感染発症すると命に関わり、救助隊、収容先地元医療機関に多大な迷惑を及ぼします。
3.登山は、少人数で行いましょう。(パーティーは、当面5名以内で。)
4.自粛期間中、季節や地震による山容の変化、登山道の荒廃など思わぬ危険が潜んでいます。十分な登山ルートの下調べと地図、コンパスの持参、登山届けは必ず提出し、家族にも残しましょう。
5.登山中でもマスクを着用しましょう。マスク着用時は、熱中症及び脱水には十分留意し、こまめに水分摂取を心がけましょう。
6.登山、クライミングジムでのソーシャルディスタンスを守りましょう。
  一般的には2メートル前後ですが、登山中の場合は、さらに距離が必要と言われています。また、クライミングジムでは建屋構造、利用人数等で制限がありますので、ジムの指針に従ってください。
  咥えロープ、滑り止めなどもジムの方針に従ってください。
7.登山山域内での買い物や、下山後の呑み会等も地元住民への感染防止の観点から控えてください、食材、飲料、緊急食などは出発前に揃えておきましょう。
8.自粛中に衰えた筋力、体幹を鍛えましょう。

・・・・・・・・・・

【考察】

 5月24日に山岳医療救助機構からの発表と比較し、より具体的になった部分と医療部分以外の留意点を示したものとなっている。

1について
 近距離ということで、具体的に「100km圏内程度」とし、「都道府県を跨がない日帰り登山」からの開始を求めている。100kmというのは、北海道を意識しての数値であろう。都道府県を跨がないことも条件となると、高い山のない千葉県の登山者気の毒でならない。しかし、結論としては、自粛生活での体力低下を不安視することから、やむを得ないと考える。
2について
 当然といえよう。
3について
 パーティーの人数を「当面5名以内」とした。単純計算でも先頭と最後尾との距離が8mとなる。平坦な道ならば問題ないが、山道となると休憩時の場所や山頂でのスペース等の問題において疑問が残る。
4について
 自粛期間中における登山道の荒廃に留意することを求めている。登山道の荒廃については、十分に注意しなければならないことである。
5について
 山岳医療救助機構と異なり、常時のマスク着用を求めている。酸欠や熱中症のことも考えると、むしろリスクがあるのではないだろうか。難しいと言わざるを得ない。
6について
 登山中のソーシャルディスタンスについても、2メートルよりも「さらに距離が必要」としている。これは風による広がりを防ぐことを考慮した結果と思われる。3とも関連するが、先頭と最後尾の距離が離れてしまうとなると、チーフリーダー、サブリーダーの技量が問われる。
 クライミングジムについては、「ジムの指針に従って行動」とし、一律に不可としなかったことは評価できる。延期されたとはいえ東京オリンピックの正式種目となり、競技者人口の増加に水を差す結果とならず、好ましい判断といえよう。
7について
 従来は、登山山域内での買い物や呑み会を実施していたが、これも不可となる。これは地元経済への返還という意味も含んでいた。地元の方々や地元の医療機関への配慮と理解しつつも、なかなか厳しい判断といえよう。
8について
 最終的には、ここに落ち着くことになるだろう。自粛生活による体力低下は、事故につながる。登山は地味なスポーツであるが、体力を必要とする。メジャーなスポーツと異なり、トレーニングジムで鍛えることがすくないが、新型コロナウィルスの流行が長期化するよそうなので、少しずつでも体力を強化・維持させる必要があるだろう。

【まとめ】

 全体的に厳しいと言わざるを得ない。人数の制限である「当面5名以内」については、今後、旅行会社の主催するガイド付き登山や、さらに学校行事としての林間学校や遠足等の教育活動にも影響がでると予想できる。特に地域によっては学校登山が伝統行事となっている。その行事の中断は、今後の学校行事に影響を及ぼすであろう。
  マスクの常時着用については非現実的で、大いに疑問が残る。冬山ならば考えうるが、高温多湿の夏山においてマスク着用は熱中症等のリスクも発生しやすい。こまめな水分補給と休憩が必要だ。
 評価すべき点としては、これまでの登山自粛により、登山道の荒廃への注意を含めたことの意味は大きい。例年ならば地元山岳会による登山道の整備が行われいるはずだが、今年度は行われていない場所も多い。
 地域の人々への感染拡大を防ぐために、買い物や飲食の自粛は厳しい。すなわち「登山者は招かざる客」ということとなる。今までお土産屋さんで物を買い、飲食店があれば、そこでその土地の名産を食べることを楽しみにし、地元の人との交流や情報交換を楽しみにしていた者のひとりとして残念なことだ。さらに下山後の呑み会についても、「※山返し」という登山文化の意味もあった。
 やはり、新型コロナウィルス流行中の措置として、やむを得ないとは理解しつつも、全体的に厳しいと言わざるを得ない。この声明は、前向きに解釈するならば、まずは近場でマスクをして、遠回しには、登山そのものの活動を当面自粛せよということであろう。

 ※「山返し」とは
 山岳信仰の名残として、古来、山に登ると山の神様を連れてきてしまうと考えられている。そこで、下山後に呑み会や食事会を開催することで無事に下山できたことに感謝をするとともに、連れてきてしまった山の神様を山にお帰りいただく儀式のこと。「下山祝い」ともいう。いわゆる「精進落とし」のようなもの。

2020年5月28日 (木)

アフターコロナの登山活動【山岳医療救助機構】(その2/全2回)

 前回に引き続き、2020年5月24日に山岳医療救助機構から発表された「登山再開に向けた知識」について検討する。

なお前回も書いたが、この記事は私個人の分析・見解を含んでいるため、記事の二次利用についてはご遠慮いただきたい。

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 槍ヶ岳槍沢ルート(記事とは関係ありません)

4 宿泊

 ①テント泊
 従来の登山のマナーとしてテント泊の場合は、グループの中でテントの数を減らすことが求められていたが、今回の発表において「家族など同一世帯や、共同生活をしている人同士ならば同一テントの利用は、感染リスクを抑えられると考えられる」としているが、「テントは、一人一つ、が好ましい」としている。
 かつては、同一グループ内であれば男女を問わず一つのテントに宿泊してた時代もある。これは荷物の最小化とテント場の面積によるものである。また最近でも、キャンプ地の管理者からキャンプ指定地の面積の問題からできる限り同一テントに宿泊することが求められていた。とはいえ国有林などを借用したキャンプ地の面積拡張は難しいと思われる。

 ②山小屋泊
 山小屋は、日ごろ生活をともにしていない人同士が寝食を共にする場所である。また、滞在中に感染者がいた場合であっても、それが判明するのは下山後の検査となる。さらに感染者が発生した場合は営業中止にもなりかねない。山小屋は緊急避難所としての役割もある。登山者の自覚を基本とした対応策では不十分な内容といえよう。

 ・事前予約、持参品について
 最近では、山小屋に宿泊する際は予約をすることがマナーとされているが、実際には予約せずに当日に宿泊の申し込みをするケースも多々存在する。また前述のように山小屋には緊急避難所としての役割もある。そのようななかでソーシャルディスタンスを維持することが可能なのか疑問が残る。
 また、共用寝具は感染のリスクを高めることから、「寝袋を持参」することが一番の安全と示している。テント泊と異なり山小屋泊は荷物の軽量化を図り、長距離の移動を行うために有効のはずだが、荷物の増加は負担を増加させる。その点を理解しながら登山計画を再考し、宿泊しなければならくなってしまったことに、残念と言わざるを得ない。

 ・入館前に「マスク」着用、食事以外は寝るときもマスク着用
 高山病を防ぐためには、入館後に水分を多く摂取し、ゆっくりとした呼吸を繰りかえすことが必要である。通常より空気の薄い場所でマスクを着用せねばならないことは、登山者の安全を考えたうえで仕方がないとは理解しつつも、疑問が残る。

 この他にも
 ・入館後の手洗いの徹底
 ・ソーシャルディスタンスを保つ
 ・衣類や道具の共有はしない
 ・洗面所を感染源にしない
 ・食事・宴会においてもソーシャルディスタンス
 ・マスクをしての就寝
 ・スタッフを守る
 など示されている。

5 山で発生する病気の徹底した予防

 新型コロナウィルス感染の症状と、熱中症・高山病の症状は似ている。したがって「熱中症や高山病の場合、新型コロナウィルス感染を疑った扱い」をしなければならない。予防という点では理解できるが、医師でない者による現場での判断は難しい。自粛生活の長期化やマスクを着用しながらの登山となると、リスクも高い。最終的にはリーダーをはじめとする各メンバーの自覚と責任が必要となる。たとえリーダーであったとしても、メンバーの日ごろの生活まではなかなか理解できないものだ。リーダーはリスクを回避するためにも早期の中止や下山指示を出さねばならない。これが後日、事故が発生し、訴訟問題となった場合への対応とはいえ、その判断には不安がある。

6 新型コロナウィルス感染が疑われる/発生時

 37.5℃以上、咳や息苦しさがある場合は、新型コロナウィルス感染を疑う。

 ①山小屋で
 A入館前のスクリーニングで疑われた場合
  a 早い時間帯の場合は、フェイスシールドとマスクをして速やかに下山する。
  b 小屋に留まる場合は、別室を設けるか、屋外に張ったテントでの滞在となる。その際にはトイレと洗面所を他の人とは別にする。
 B滞在中に症状が出た場合
  隔離し、上記Aaと同様に対応し、滞在中に接した人を「濃厚接触者として扱う」ことが求められ、その人も隔離する。

 登山者の一人として、ここまでして山小屋に宿泊する必要があるのかと考えざるを得ない。これならば最初からテントでの宿泊として計画した方がよいのではないかと考える。山では常に濃厚接触者にならないことが求められることについては、頭では理解できるが、なかなか難しい問題でもある。

 ②登山中に発症

 ・自力歩行か可能な場合は、フェイスシールドとマスクをして速やかに下山する
 ・自力歩行が不可能な場合は、救助要請をする

 これもなかなか難しい問題だ。そもそも37.5℃以上で自力下山が可能かどうか、そして咳や息苦しさがある登山者にマスクを着用させての下山が安全かどうかの問題もある。さらに今後は、感染予防に各メンバーがフェイスシールドとマスクを持参した登山を求めねばならなくなってしまったことも新たな変化だ。
 山での発症を考えた場合、平地とは異なり救急車での搬送は難しい。これらのことを完全に理解しているが、そのことが登山人口の減少にもつながりかねない。登山活動の活性化を求めてきた自分としては、実に残念なことである。

7 怪我や体調不良の人に出会った時の対応

 応急処置を実施する際に、一番最初に行うことは要救助者に対する「声かけ」であるが、今後は偶然遭遇した要救助者に対して新型コロナウィルス感染を疑った対応が求められる。これは大きな変化である。

・傷病人が話せる時
 マスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保ち、要救助者にマスクを着用してもらう。その後、必要となる質問を実施し、救助要請の要、不要を確認する。
・傷病人に声をかけてもはっきりした返答がない場合
 自ら感染予防ができない場合は、救助を呼ぶ
 自ら傷病人に接触して手当てをする場合は、マスク、手袋、帽子(バフなどで髪の毛と耳を覆う)カッパ着用、サングラス・ゴーグル・フェイスシールドを着用したのち、疾病人がマスクをしていない場合は、本人の持ち物で鼻口を覆い、自分が安全に行える範囲で応急処置を行う。
・感染リスクの高い応急処置
 心肺蘇生
 人工呼吸
 気管内挿関管
 高流量の酸素投与

 上記内容を見る限り、基本的に一般の人が救急法として学んでいることを実施できないと考えた方がよいだろう。これは大きな変化でり課題といえよう。山での事故は、発生件数の割合から考えると他のスポーツより少ないとされるが、一度発生してしまうと大きな事故となる。そのため、登山者は救急法の学習が必要となるが、従来の方法では対応不可となる。このことについては今後、日本赤十字社や消防などの各機関で検討することが求められる。

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【考察】

 救急法については、一般人の応急処置は、日頃から医療や救急関係に従事している人と異なり、民法上の「緊急事務管理」とされ、その要救助者に対する発見者の処置過程における過失責任を問われないこととされている。しかし、今回の新型コロナウィルスへの対応から、要救助者を発見しても、身内でない限り「何もできない」、「何もしない」ということが認められることとなる。法律上の責任を問われないことは当然だが、処置が遅れたことによる発見者への世間や遺族からのバッシングや、本人の良心的の呵責から守るまでの対応を求めたい。

 アフターコロナの問題は登山活動に限らず、今後多くの場面でその対応を変化させる必要がある。登山活動に限って例外は認められないというのも理解できる。しかし、簡単に言えば、「汗をかいても手で拭けない」レベルの変化だ。我々の義務として、この急激な変化に対応した知識を身につけ、対応を考えねばならないものの、それにも限界がある。早期に新型コロナウィルスに対応したワクチン開発や治療法の確立を待たねば、登山活動ができないのは残念なことである。

以上

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